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トイレのゴーという異音の正体と原因
トイレの水を流した後、しばらくして静かになったはずの便器から、突然「ゴー」という大きな音が聞こえてくる。まるで誰かがもう一度水を流したかのようなその音に、驚いたり不安に感じたりした経験はないでしょうか。この音は、前のキーワードで解説した「ブーン」という継続的なうなり音とは性質が異なり、比較的短時間で収まるものの、より力強い水の動きを感じさせるのが特徴です。この現象は「サイホン現象」や「ゴーストフラッシュ(幽霊洗浄)」などとも呼ばれ、放置すると水道料金の増加に直結する、見過ごせないトラブルのサインです。この「ゴー」という音の正体は、多くの場合、トイレタンクが勝手に給水している音なのです。本来、トイレのタンクは水を流した後に一度だけ満水になり、その後は次の洗浄まで静止しているはずです。しかし、タンクの底で排水弁の役割を果たしているゴム製のフロートバルブや、それに付随するパッキンが経年劣化によって硬化したり、変形したりすると、便器との間にわずかな隙間が生まれます。その隙間から、タンクに溜めた水が便器の中へ、人間には気づかないほどゆっくりと、しかし確実に漏れ出し続けます。そして、タンク内の水位が一定のラインまで下がると、給水装置であるボールタップがそれを感知し、「水が減った」と判断して自動的に給水を開始します。この、予期せぬタイミングで始まる勢いの良い給水こそが、「ゴー」という音の発生源なのです。ご自宅でこの現象が起きているかどうかを簡単に確認できる、非常に効果的な方法があります。それは、食紅を使ったテストです。まず、トイレのタンクの蓋を開け、タンクの中に食紅や色のついた入浴剤などを数滴入れてみてください。この時、絶対にトイレのレバーを操作して水を流さないでください。そのまま15分から30分ほど放置し、便器の中の水に色がついていないかを確認します。もし便器の水がタンクに入れた色で染まっていたら、それはタンクから便器へ水が漏れている動かぬ証拠です。