私は以前、実家の遺品整理で古いダイヤル式金庫と格闘した経験がある。父が大切にしていた金庫で、中には貴重な思い出の品や、もしかしたら重要な書類が入っているかもしれない。しかし、父はすでに他界しており、金庫の番号を知る術はなかった。途方に暮れながらも、何とかしてこの金庫を開けたいという思いが募るばかりだった。金庫はかなりの年季物で、表面には錆が浮き、ダイヤルもスムーズに回らない。これは一筋縄ではいかないだろう、という予感がした。 まず私が試したのは、金庫のタイプを特定することだった。ダイヤル式金庫には、一般的に「右に○回、左に○回」と繰り返すタイプと、最後の番号で止めるタイプがある。金庫の前面にはメーカーのロゴらしきものが辛うじて読み取れたので、そのメーカーのウェブサイトを調べてみた。すると、そのメーカーの古い金庫の取扱説明書がPDFで公開されており、中にダイヤルの回し方に関する説明があった。幸運にも、私の金庫は最後の番号で止めるタイプであることが判明した。これにより、少なくとも開錠の手順は理解できた。しかし、問題は番号を知らないことだ。父が生前に残した手帳やメモ類を片っ端から探してみたが、金庫の番号らしきものは一切見当たらない。困り果てた私は、インターネットで「金庫 ダイヤル式 番号不明 開け方」といったキーワードで検索してみた。すると、「番号探り」という方法があることを知った。これは、ダイヤルを回しながら特定の場所で止まる音や感触の変化を頼りに、番号を特定していくという、非常に根気のいる作業だ。素人には非常に難しいとされていたが、他に選択肢がない私は、この方法に挑戦してみることにした。